暗記能力と恋の完全


「排除排除」
「消えたらいい」
ブツブツ言っている。
だって、嫌いだし。

ガキも嫌い。
ガキが近寄ってきた。
「ノート拾った」
「嫌いって書いてあげよう」
ガキは嫌い。
適当にあしらう。
25歳ぐらいの大人がいい。
紳士で色気があって。
やっぱり大人がいい。

大好きなウヨに会いにいく。
ウヨは色気があって可愛いくて、声もタイプで、初めてかっこいいと思った人。
今まで誰もかっこいいと思わなかった。
ウヨは初めてかっこいいと思った。
ウヨが何か言っている。
コッソリ聞いてみよう。

「王様ではないです。分かった。分かった。」
ウヨ?!
いつも、そんな事言わないじゃない。
自分がウヨを王様扱いした日が忘れられないの?!
どちらかと言うと旦那様。
まだ何か言っている。
「この説明はしっかりと聞いてよ。分かりました。」
ウヨは1人で会話をし始めた。
1人で2役、頑張っている。
僕が相方になろう。

「ウヨウヨ!可愛い!僕と逢引きだよ!」
ウヨに抱きついた。
「1人にして…」
ウヨはイスに座った。
また抱きしめて
「1人ではないよ」
「レン…」
ウヨの腕を掴んだ。

ウヨを1人にしない。
ウヨは感性が鈍っている。
しっかりしないと、と思っている。
ウヨが独り言を言っている。
またコッソリ聞いた。

「こっちの気持ちは…隠している」
隠している事って。
隠していたい事は隠していてもいいんだよ。
「いけない人…いけない人…」
そうでもない。

「ウヨ!感情が混合しているよ」
「レンには全部を背負われた人の気持ちが分からないでしょ」
「僕はいつも全部を受け止めている。ウヨの気持ちも受け止めている。」
「レン…」
ウヨが飛びついてきた。
ウヨの身体は暖かい…

ウヨの感情を1番大事にしている。
その自信しかない。
ウヨが出来た人間。
僕だけが知っているウヨの秘密。

「これはこれはレン君。僕の事気にしているんでしょう。」
「気にしているふりをしているだけです。」
別の国の王子様。
僕に付き纏っている。
僕の理解者だ。
「僕は見た目が一般的にもうけますよ。性格もいい。性格がいいふりをしているだけ。人にも簡単に好かれてしまう。それは性格がいいからだ。人にうけるんだよ。見た目がいい。」
「見た目がいいのは確かです。頭もいい。でも、つっこむ所がないんだよ。僕はつっこみたい。」
「僕はしっかりしているふりをしているだけ」
「僕のかっこいいの基準はいい台詞だよ」
「レンは好きな人の事しか見えないの」
「そうだよ」
「好きな人の事が見えないんでしょ」
「何で分かっている」
「好きな人の気持ちを読めないのださいよ」
「これでも頑張っている」
僕は走って空き缶を蹴った。
空き缶を排除しないと。
空き缶はガキだ。
ガキは自分の事をガキと分かっていない。

そ・れ・に・く・ら・べ
ウヨウヨは大人だ。
色気もあるし、とびっきりかっこいいし、僕の事をずーと考えてくれるし、思いっきりかまってくれるし、行動力もあるし、語彙力あって文才もよく出来ているし、可愛いし。
ウヨウヨに絡む奴は全部排除だ。
ウヨウヨの苦労はレンが1番知っている。
僕しか知らない。
僕がウヨを一生旦那様と言わせよう。

ウヨがシーツを手で洗っている。
シーツが汚れている。
いつもシーツが汚れてしまう。
僕が洗うよ。
ウヨをまた抱きしめた。
「そればっかり…」
「だってウヨが可愛いすぎだよ」
ウヨに首ったけ。
ウヨがずっと続くよう。
ウヨが続いてくれないと。
生きる価値はウヨが等しい。
ウヨがこの世の全て。

別の国の王子が来た。
「蜃気楼に恋しているんだろう」
そうだ。
ここは砂漠だった。
蜃気楼にウヨが見えてしまう。
ウヨは好きな人を見てはしゃいでいる。
良かった。
ウヨの気持ちがそれで良かった。
でも、僕は暗記能力がいい。
暗記している。
そう。
暗記している。

墓荒らし


「リクが消えて5年…」
「まだリクの事を探しているの」
「キーはリクの事を知っているだろ」
「知っているよ」
「リクがよくここに来ていた。1ヶ月に2回ここに来て、リクの事を考えるんだ」
ここは墓場。
墓荒らしが来るから、訳の分からない人の墓場を管理しているよ。
墓荒らしはこの時期、心が飛んでいるだろ。
戦争が起きて、お墓は盛り上がっている。
リクを最後に見たのは、ここの墓場にバラを持ってきていたんだ。
ここの墓場にバラを置いていた。
何でリクはそんな事をしていたんだ。
キーが帰って行った。
そうだよ。
僕が墓場でリクを探しているって分かったら皆、近寄らなくなってしまう。
沢山の人がいなくなったよ。
ついでに、ディーの墓場も見とこう。
眼帯していて目を失ったみたい。
気付いたら墓場。
ディーも可哀想。

僕はコレリ。
コレリって名前はコンプレックスだ。
でも、コレリって呼んでくれる人がいるから、それでいい。
リクがいなくなって毎日変わったよ。
毎日に色が無くなったよ。
全部、どうでも良くなったよ。
投げやりになったよ。
嫌いなものも増えたよ。
でも、僕はリクがまだ生きている気がするんだ。
リクをパクって生きているんだ。
リクがしていたファッション。
自分がリクになったつもりでいる。

「コレリ、何処行っていたの?!」
「ただいま」
「抱きしめてあげたい!」
そう言って、ラギが抱きしめてきた。
ラギは愛情表現が激しい。
ずっと、くっついていたいみたいだけれど、自分の時間も大事にしよう。
「コレリ、お願いがあるんだけど…」
「ラギどうしたの?」
「お願いを100個言っていい?」
「せめて20個にして」
「お願いは、ずっと好きでいて」
「いいよ」
「コレリ大好き!」
「ラギ可愛い」


次の日、学校に行って資料を読んだ。
参考書の資料の1200ページ。
やっぱり、ここにリクに似ている事が書いてあるし。
でも、これはリクではない。
この資料、リクの事を言っていない。
リクがいなかった事にされている。
リクは成績優秀で頭脳がズバ抜けて賢くて冷静で分析出来てしっかりしていて。
リクがこの世に必要だ。
キーがきた。
「リクを探しても意味ないわ」
「何で」
「リクは全てを分かっている。だからコレリに近付かない」
「黙れ」
僕は気付いていた。
リクは頭脳がズバ抜けて賢いから、僕を避けてしまうんだろう。

ラギを連れてアクセサリーを探した。
「どのアクセサリーがいい?」
「コレリと同じ色がいい」
「ラギと同じ色にはしないよ」
「形はバラバラでも」
「バラバラって?」
「う、うん、何でもない」
ラギの様子がおかしい。
ラギが戸惑っている。
僕も戸惑っている。
ラギを裏の階段に連れて行った。
ラギの口を手で伏せて
「さっきの言葉はやめておけ」
「cuhiboihfxrugi!!」
ラギが暴れた。
ラギは力が強い。
ラギの腕を掴んで抱きしめた。
ラギは声が大きい。

「この資料。」
また、疑問に思った。
この資料、ラギではない。
誰がこの資料を。

墓場にまた来た。
資料を墓場に置いてみた。
墓荒らしが資料を盗んでしまう。
多分、墓荒らしがこの資料を盗んでしまう。

僕はリクが出てこない事に焦りを感じた。

「ヒューマンツーナイト」
何だ、この広告。
この広告の所に行ってみた。

「コレリの事が好きです」
「げ、誰」
「僕は別に好きな人がいる」
「私はコレリといる」
この広告の所に行ったら、知らない人が迫ってきた。
ダンサーだ。
ダンサー?
「あ、!コレリ!その人誰?!」
ラギに見つかった。
ラギが真顔になって、車に乗って帰って行った。
ラギの初めての表情。
僕は広告にはめられた。
ラギを追っかけた。
ラギはいなかった。

その日、ラギに
「もうコレリと結婚しない。」
「ラギ何で」
「誰とも結婚しない。一緒誰とも結婚しない。」
「バカ」
ラギを抱きしめた。
それでもラギはずっと一緒にいてくれた。
ラギは大きい声で何回も
「コレリと結婚しない」
って言って暴れているよ。
可愛い奴。

何処でも。
何処に行っても。
リクが出てこない。
リクが出てこないって考えているという事は頭でリクが存在しているって事だ。
リクがいない。

墓場にまた来た。
資料がない。
やっぱり墓荒らしが資料を盗んだんだ。
リクも墓荒らしが盗んだんだ。

「僕はラギとずっといる選択肢しかないよ。ラギの資料は墓場まで持っていくよ。ラギの事が大事です。リク、ごめんね。リクの事を忘れてしまいたい。」
墓場にそう言って、花を置いた。
チューリップを置いた。
ナイフも置いた。
リクの事を狂気と思えない。

プライドが高い。

「もしもし、自分はレウ」
「誰に電話しているの」
「聞かないで」
そう言って、レウは走って何処かに行った。
レウは人を舐めている。
僕はラギ。
レウをいつも見ているよ。

私はレウ。
知り合いに機関の最高顧問がいるの。
だから何だって出来るわ。
何しても許されるし、警察にも捕まらない。
警察に話したら警察は言う事を聞く。
だって知り合いが機関の最高顧問だもん。
今日はDOUTORの前で座ってiPhoneを触っている。
通行人がスカートを覗いてくるけど気にしない。
別にいい。
プライド高い友達が来た。
「お家に帰れよ」
「帰らない」
「俺とホテル行こうぜ」
「コイツいつもお家にいるじゃん」
プライド高い友達が私の手を引っ張ろうとした
ラギに貰ったブザーをひいた
ブザーのサイレンが鳴った
警察が50人来た。
「私とホテル行こうって言ってくるのは7年早い」
プライド高い友達が警察に連れられてお家まで帰って行った。
自分はDOUTORでアイスティーを飲んで、ウロウロした。
プライド高い友達は私をハメている。
警察に聞いた。
「最近、最高顧問の態度は」
「レウ様のように従っています」
「レウ様ってずっと呼んでいるの」
「レウ様、いつでも呼んでください」
「うるさい」
レウ、私は電話ボックスに入ってお家に帰った。
電話ボックスで知らない奴と1時間話した。
自己肯定感が上がった。
私はラギと話したいのよ。
何で警察とかプライド高い友達と遊んでいるの。
ラギを出してよ。

ラギの事について考える時間が増えた。
ラギはいいなずけ。
何年先、ラギと結婚するの。
それのおかげでメンタルが良い。
今はテキトーな奴と遊んでいていい。
いつかラギの時間を。
いいなづけだし。
いいなずけ、いいなづけ。
分からない。
でも、そうよ。
その時は思いっきりキスをしたい。
それまでは誰とも…

ラギがバカのフリをしてバカでいるわ。
可愛い。
ラギが勉強していた。
勉強を応援した。
ラギは笑っていた。
可愛い。
余裕あって良かった。
安心しているの。
安定感より危機能力を持ってよ。
勉強ばかりしているの。
この資料は。
「?!」
この資料は…
私は資料をコピーした。
この資料は私も必要よ。
鞄に資料を持ち運ぶ事にした。
ラギの資料を持っている。
ラギの秘密を知っている。

プライド高い友達がまた来た。
「この電話番号知っているー?!」
「何」
「これにかけたら一生鎖に繋がれた部屋で暮らしていく事になるんだぞ」
「バカでしょ」
「レウ、この電話番号にかけてみろよ」
「嫌よ」
「その部屋にいろ」
「何で」
一応、電話番号をメモった。

その日、その電話番号にかけた。
「もしもし」
「レウちゃんでしょ」
「何で名前知っているの」
「ラギの事知っている。◯◯に来い。」
「行くわよ」
◯◯に行った。
気絶した。

気付いたら知らないホテルの部屋にいた。
「こんなつもりじゃない!ここから出して!!」
「鎖を持ってきたよ。暴れないように手を鎖でおとなしくしてあげるよ。」
「余計暴れるわよ!手が動かない。鎖。」
「レウちゃんは言う事聞いていればいい」
「黙れ!こんな筈じゃない!」
「100人はこうしてきたよ。でも、皆、僕の事が好きで従ってくれたよ。」
「私はあんたに従わないわ」
「でも、手が動かない。自由がない。」
「うっ」
「レウちゃんの好きでいるラギに電話をかけてあげるよ。この姿でいる所を。」
「機関の最高顧問が来るわよ。鞄にGPSがついている」
「あれあれ。4時間経っても誰も来ない。僕しかいない。」
レウは泣き始めた。
ラギの秘密をこいつは知らないわ。

そして3日経った。
「もう、あんたの言う事聞くよ」
「ご飯食べて」
「ウィンダーインゼリーじゃない」
「3日間何も食べてないでしょ」
「飲み物で流し込まないとご飯食べられない」
「あーんして」
「まずい」
プロテインバーを100個は食べろ」
「食べているじゃない」

そして、15日経った。
「レウちゃんの鞄見ていい?」
「絶対嫌」
「そのびびり方は鞄見られたくないんだ。よし鞄見ちゃう」
「嫌!!」
「この資料。」
プライド高い友達がドアを突き破った。
「レウ、ここにいた」
「この鎖、レーザーで落として」
「待ってろ」
レーザーで鎖を落として、手が自由になった。
その瞬間、監禁した奴を殴って、警察を呼んだ。
警察が来た。
「あなたも監禁した奴を殴っているんで同罪。」
お家に帰された。

20日ぶりにお家に帰ってきて、ラギの資料を黒く塗り潰した。
ラギ来ないじゃない。
ラギ、監禁されても迎えに来なかったじゃない、
何で、迎えに来ないの。
シンデレラ状態。
嫌、不思議の国のアリスの女王よ。
私は不思議の国のアリスの女王よ。
誰も迎えに来ないじゃない。

ラギの部屋に行ったら、ラギが勉強をしていた。
「レウも勉強しろ」
「私ばかりラギの所にいる」
「資料を頑張って作っているよ」
「かまってくれるのはプライド高い友達よ」
「嫉妬しているんだよ」
「してないよ」
「レウが友達とからんでいるの見るの辛いし、2人っきりの時間が欲しい。レウが1人の時しかいたくない。」
「束縛でもない」
「かまって欲しくて行動しているのばればれ。それには乗らないよ」
「一緒の部屋にいるじゃん」
「お家が一緒だからいいだろ。最後にいるのはいつでもラギ。」
「ラギ…」
ラギの顔をぶった。
「しっかりしよう!」
「レウ以外はしっかりしているよ」

ラギとレウは海に来た。
「部屋にいる時と海でのキスはどっちがよりいい?」
「嘘ばかり!!!!」
ラギは海を見て、レウの頭をずっと触った。
「レウレウ可愛いよ」
「勉強しろ」

車と海と手が落ちた時。

「才能が負けてしまう」
自分は走った。
動向が早い。
行き先は分からない。
でも、分かってしまった。
分かってしまったつもりなんだ。

包丁を持った。
使い方が分からない。
手が震えてしまう。
直ぐに包丁を落とした。
自分は包丁を持てないよ。
やっぱり、包丁を持てないよ。

「嘘だ、全部嘘だ」
「レクイしっかりしろ」
僕はラギ。
レクイは全部を嘘にした。

僕は人間としての自分の使い方の主導権を握っている。
それゆえ脅してしまう。
レクイは現実を見過ぎている。
自己犠牲がどれだけ悲惨な結果になろうと。

警察に手紙を書いた。
「僕は誰でしょう」
アリの足を1000個詰めて。
そこら辺の奴の指紋をつけて郵送させたよ。
でも、世間は注目してくれない。
注目されたくない。
レクイだけに評価されたい。
それ以外はゴミと一緒だ。

次はコンビニのドアにナイフを50個。
と言いたい所だけれど、画鋲を1000個。
コンビニのドアに画鋲を1000個落としたよ。
そのつもり。

でも、晴れないんだ。
気持ちは晴れないんだ。
レクイが笑ってくれないし。
朝方になるとレクイを抱きしめるんだ。

「ラギ、時間見てよ」
「今、勉強しているよ」
「僕はラギの友達でしょ」
「誰だっけ」
このプライドが高い奴は誰だ。
レクイではない。
レクイではない。
僕はこいつを気絶させた。
許せない。
レクイではない事が許せない。

レクイが崖で座って泣いている。
顔を隠している。
泣かないでよ。
泣かないで。

「レクイ、僕はバカだよ」
「そう、ラギはバカだよ」
「全部を気にしてしまう」
「それはやめよう」
「では40.70を考えてしまう」
「中途半端」
「好きな人に好かれるためには努力だよ」
「ラギといたら疲れてしまう」
レクイはお家に帰った。
レクイの言葉が脳内にまだあって気持ちいい。
レクイの事を考えていると気持ち良い。
でも、そればかりだと人間失格だよ。
僕は人間失格だよ。
そうだとヤバイ。
感情が消えてしまう。
戦争から手を引っ張って。
逆だよ。
「何しているの!ラギ、こっちよ!」
レクイが僕の手を引っ張っている。
ミサイルが落とされた。
皆、海に逃げている。
「レクイ、何処へ」
「シェルターよ、シェルターに行くの」
全員と逆に行き出した。
レクイに従った。

「ラギ、包丁を持って」
「持てないよ」
「では、これを持って」
「これは今住んでいる所の出口の資料?!」
レクイは僕をここから逃がそうとしている?!
ラギを殴った。
「まだ、レクイと一緒にいる!」
「あたしもラギと一緒にいたい。」
「この資料で僕を逃がそうと?!」
「だって、ここにいてはミサイルが飛んできてしまう」

僕はレクイをクローゼットに閉じ込めた。
その間に嘘の資料を作った。
ミサイルから逃れる嘘の資料を。
この資料をレクイにあげたい。

ミサイルが飛んできた。
でも、まだレクイといる。
レクイとラギはずっと一緒だ。
僕は片目を失った。
意識も。

ここは、シェルター。
レクイが沢山のミサイルを見て笑っている。
「ラギ、ミサイルが飛んでいるの美しいと思わない」
「何を」
「ミサイルが沢山あって、最後は誰がいるんだろう」
「レクイがいるだろ」
「最後は誰が生きているんだろう」
「ゲームでは」
「シュミレーションをしたんだ。ミサイルを飛ばしている人はもういないんだ。」
「メンタル強すぎたよ」
「海から手が出ている。車のガラスから手が出ている。それがずっと見えているんだ。」
「レクイ、僕を見よう」
「車のガラスから手が出ていて、それに引き摺り込まれてしまう」
「海に行こう」
「ラギ、知らないでいい事がいっぱいだよ」
「僕はやっぱりバカだ」

レクイが僕の顔を触ってきた。
「狂気と同じ感覚が脳内についています」
「何で分かった」
「その思考回路を貰います〜」
「シュミレーションだろ」
「脳内が全く見えないんです」
「ん」
「好きな人の脳内を知りたくない」
「何で」
「好きな人の脳内は見たくない。この意味分かっているの。」
「シュミレーションしていいよ」
レクイが僕だけに言っている。
レクイが僕だけに言っている。
多分。
全部、嘘だよ。

タバコとネックレス


大事にしている人がいる。
3ヶ月間一緒に同棲している。
都合の良い奴だ。
3ヶ月目だから倦怠期。
「今月のお金」
「タバコ代これでいい」
「毎月タバコ代と車の費用で20万以上は稼がないと」
「今日は4万渡すから、貯金しといて」
「結婚費用も必要だよ」
「うるさい」
タバコの箱を握り潰した。
タバコのためにホストをやっていて。
こいつと暮らし始めてタバコの本数が増えた。
週刊誌もお家のあちこちに散乱している。
窓もこいつが考えた俺への文字が書いている。
「4んでも一緒だよ」
この文字、意味がわかってしまうと。

俺は結婚の事は考えていない。
ホストをやっていたら、フリーのがモテるんだ。
お客も恋人の座を狙っているから独身のがいい。
独身のが自由だし。
自分が4んだ時に、こいつが誰か色々な奴と協力して生きていけるよう。
いっぱい関わりがあってもいい。
でも、一緒に住んでいるのは俺だけ。
俺だけこいつの主役だ。

俺はレノ。
こいつはミア。
ミアは何を考えているのか直ぐに分かってしまう。
だから、気持ちが揺らいでしまう。
ミア1人を好きでいたいけれど、ミアがいなくなった時にメンタルが…
ミアは愛情表現が異常だ。
一途だから利用しやすい。
「ミア、友達連れてワイン飲むわ。」
「レノ、ワインはそこそこって…」
「止めるの?」
「ワイン飲んでる時が心が浮くんだ」
友達を連れてワインを飲んだ。
ミアの反応を見た。
ミアはうつむいて、料理を作った。
「俺がワイン飲んでいる時は料理?」
「一緒に飲まない」
「何で?」
ミアを後ろから抱きしめた。
「1人でいたいからキッチンにいる」
「後で、2人っきりになろう」

友達を送って、レノとミアは2人っきりでお家にいた。
「レノ、2人っきりがいいの」
「2人っきりの時間多いだろ」
「でも、距離を感じるの…」
「多分、釣り合っていない」
「何処が」
「俺はぐれている。でもミアは周りを気にしている」
「レノの事しか考えていない」
「嘘だ!!今日のお金を破ってみせろ」
「これは結婚費用の貯金よ」
「貯金している時のワクワクだけで生きないで」
「何よ」
「どうせ、結婚したいって願望だけで浮かれていて、現実的に行動しないんだろ」
「一緒にいるじゃない」
「行動ばかりで、言葉がないんだよ!」
「語彙力はレノが持っているから、おとなしくしているの」
「でしゃばれ」
「嫌」
「声も出せない奴が」
「言いたい事はいつか言うわ」
ミアの首を掴んで口を押さえた。
「言わなくてもいい事は沢山あるんだ」
唇を触った。
その日はミアはレノの言う事を聞いた。

ミアがバイトから帰っている時、レノの友達を発見した。
レノの友達がミアのネックレスをしていた。
「そのネックレス、自分のもの」
「レノに貰ったよ」
「泥棒!!」
そのネックレスを奪って、倉庫に置いた。
その倉庫には一生行かなかった。

「レノ、いつもの倉庫にはもう行かないで」
「さっき行ったよ」
「?!」
「週刊誌の間のネックレスだろ」
「ネックレス捨てて」
レノは新しいネックレスをミアの首にして
「何回でもネックレスをあげるから許してよ」
「許さない…」
レノはミアへ何回もネックレスをあげようと誓った。

ミアはレノがめちゃくちゃ好きらしい。
激しいぐらいの愛情表現。
激しいくらいの執着。
激しいぐらいの想い。
激しいくらいの行動。
分からない態度を見せているからだ。
根拠が欲しいんだろ。
事実が欲しいんだろ。

「この貯金箱が貯まったらレノにイヤリングをあげようと思う」
「ミアにもネックレスをあげるよ」
「レノはイヤリングが似合うと思う」
「それが婚約の飾りだ」
「その事実だけでいいよ」

レノ、俺はパーカーを着てタバコを吸っているだけ。
ミアのうるさい姿を見ていると安心してしまう。
ミアは俺の事が大好きって、しっかりと言ってくれて。
一緒に住んでいるんだから大丈夫だって。

「どうみても首ったけだよ」
「顔が赤いじゃない」
「データーとソースが嘘じゃん」
「笑わないで」
「嘘ばかり」
「嘘じゃない」

ミアの唇を手で触って口を閉じさせた。
それでも、ミアはうるさかった。

ミアが抱きついてきて
「気持ちいいだけで終わりでしょ?」
って始めて自分の意思で聞いてきた。
意思を持った。
ずっと生きたいって思った。
めちゃくちゃ好きって何回も行動しているじゃん。

仮面舞踏会と新しいお面


好きな人はお面をいつもしている。
お面はキツネのお面。
僕は好きな人の素顔をよく見ている。
めちゃくちゃ可愛い。
でも、いつもお面をしている。
顔に自信がないらしい。
醜形恐怖症らしい。
自分の顔が醜く見えているらしい。
素顔はめちゃくちゃ可愛いんだけれど。

「メレオ顔めちゃくちゃ可愛いよ」
「ロイ、嘘つかないで。メレオ私は醜い。お面がないと生きられない。」
「そのお面は必要だ。お面いつまでつけているの。」
「一生、お面をつけとくわ」
メレオはお面をつけて生きていくって決めている。
僕はメレオの素顔もお面の姿も大好きだ。
性格はよく分からない。
でも、メレオと一緒に過ごしている時間が多い。

「メレオ、ストーブのマキを持ってきたよ」
「木屑でいいわ」
「新聞も入れます?」
「ロイが勝手にして」
「メレオ、隣の隣の街で集落の集まりがあるって。僕は行くけれどメレオはどうしたい?」
「行かない」

メレオは自分の部屋に閉じこもって、いつも何をしているのか分からない。
人の集まりにも参加しない。
集落の集まりにも行かない。
ロイが頑張って、メレオの体裁を良くしている。

集落の集まりに来た。
「ロイ君、可愛い可愛いメレオちゃんを早くここに連れてきてよ」
「集落長にはメレオを見せれないです」
「メレオちゃんがいるからロイをここの集落に住ませているんだよ。このチケットをあげよう。」
「そのチケットは」
「金持ちだけが集まるイベントのチケット。でも、集落の人達も参加出来ると。それはメレオちゃんが可愛いから噂になっているんだ。」
「メレオは僕のものです」
「それは分かっている。でもメレオちゃんをずっとお家に閉じ込めていたらメレオちゃんの身体が心配だ。外の人と交流させてやれ。メレオちゃんを世間に出せ。」
「ロイが責任を持ってメレオを」
「メレオちゃんのメンタルを強くさせたい。忍耐力をつけさせてあげて。」
「確かにメレオは精神も弱い。我慢強くない。メンタルを強くするには忍耐能力を上げないと」
「メレオちゃんは我慢に慣れていない。我慢強くさせてあげて」
「分かりました。このチケットでロイがメレオを連れてイベントに行きます」

僕は悩んだ。
メレオを人前に。
でも、人に慣れさせないと、僕がいなくなった時にメレオは生きていけない。
メレオは閉じこもっているし、世間を知ったらいい。
僕だけでは成長もしない。
イベントにメレオを連れていく。

「メレオ、集落長に貰ったイベントのチケット」
「行かない」
「何で」
「だってお面をつけているから」
「お面はつけてていい。顔に傷があると言え」
「顔に傷はあるわよ」
「ん」
「顔に傷があるの。ロイは知っているでしょう」
「顔に傷があるからお面を」
「ずっとお面をつけとく」
「イベントに一緒に行こう」

そして、イベントに行った。
チケットを渡したら直ぐに入れた。
そこは豪華な会場だった。
シャンデリアがいっぱいあって、赤のカーペット。
ワイングラスが沢山。
宝石も普通に置いていて。
クロコダイルの飾り。
画面のモニターは光っている。
画面のモニターから音楽が。
何より人が全員美しい。
「ロイ、僕はここに来て良かったんだ…」
「メレオ、私浮いていない。」
「大丈夫だよ」
「オシャレしているの」
メレオがオシャレしているのは珍しい。
もしかして好きな人を探している?
僕では物足りない?
僕がいくらアタックしても、好きな人がいるって言っていたし。
もしかしてこのイベントに好きな人が来ている?!
「もしかしてこのイベントに好きな人がいる?」
「急に何言っているの」
「笑顔じゃん」
「私は、ずっと好きな人がいるから、その人の事しか考えていない」
「意味わからない」

僕はトイレに行った。
メレオは心配だったけれど、我慢出来なかった。
トイレから帰ってきたら
何処かの国の王子とお話し、している。
話しを聞いてみよう。

「仮面舞踏会にはよく行くんです?」
「何それ」
「仮面舞踏会はいつもどちらへ」
「分からない」

僕はメレオの所に走って行って
「この子は集落で僕が面倒を見ています!」
「田舎のもの?名前は?」
「ロイです」
「この子の名前だよ」
「メレオです」
「僕はスリランカの王子だ。この子を貰うよ。」
「メレオはあげない!」
「手配して」
何処かの王子が手を叩き始めた。
黒服がきてメレオを木箱に入れて何処かに持って行った。
「メレオを帰せ!!!!」
僕は黒服に抑えられてメレオと引き離された。
気を失った。


私はメレオ。
気づいたら何処かの国の王子のお姫様にされていた。
「ドレスは黒が似合う。仮面も黒にしよう」
「お面を返して!」
「この黒の仮面のが似合うよ」
「黒の仮面でお城にいるの」
私はロイが好きよ。
ロイの所に帰りたい。
ばれないように言う事を聞いた。
「私は王子様に従います」
「それでいい。いつでも見える範囲にいるのだ。」
「鎖で王子様と私を繋げとけば」
「ずっと見える範囲だ。鎖を持ってこい」
王子様とメレオ、私は鎖で繋がれた。
黒の仮面で一緒にいる。

「仮面舞踏会にはよく行っていた?」
「王子様、それは言えないです」
「何人と関係を持った?」
「言えないです」
「会話は出来るのだ」
「いえ…」
この王子様は仮面舞踏会についてよく聞いてくるわ。
それが性癖なんだろう。
でも、私はお面をしてないと生きていられない。
仮面でも大丈夫。

王子様がワインを飲んでいるすきに、王子様の鎖を切って、窓から鎖を落とした。
「ロイ!鎖で引っ張って」
「メレオ!ここにいたんだ!何かあったら鎖を落とすって言ってた!ここにメレオがいるんだ!」

僕はロイ。
鎖を辿ってメレオの所まで来た。
剣を持ってきた。
王子の所で剣をメレオに向けた。
「メレオをロイ、僕のものにしないと、メレオの目を剣で傷つけます」
「…」
「メレオは僕のもの」
「仮面舞踏会に参加するつもりないだろうから、いらないよ」
「ではメレオは僕のもの」
「好きにしろ」

メレオの新しいお面をつけて抱き抱えてメレオを集落のお家に持って帰った。
メレオは新しいお面をつけて顔を抑えている。

メレオのお面から涙がいっぱいこぼれていた。

王子様はお姫様の事を。


僕は王子様。
「そこのワイン」
「ワインだけじゃ分からないです」
「そこ」
「何様です」
会話しているのはお姫様。
お姫様はワインを飲めない。
「今日から飲み物は飲まない」
「嘘つき」

僕はドアを開けた。
ドアって何でもいい。
心のドアを誰か壊してって。
そんな事言わないよ。
だって僕にはお姫様がいるし。

お姫様が髪を下ろしてパーカーを着ている。
何でそういう格好。
いつも着ているお洋服はフリフリ系。
今日はパーカーを着ている。
誰かと逢引でも。
僕といる時はオシャレをしている。
誰かといる時はパーカー。
気になってつけてみよう。
お姫様をつけてみる事にした。
僕はコートを着た。
これでばれない。

お姫様が会っている相手は
隣の国の王子様?!
しもべが沢山いる。
僕の家来は50人。
隣の国の王子様はしもべが1000人。
数で叶わない。
お姫様は隣の国の王子様を睨んでいる。
何か嫌な事でも。
会話を聞いた。
近付いて聞いた。

「僕の国の1人にならない?」
「嫌です」
「僕の国は美しいよ」
「嫌です」
「ずっと僕の隣にいてよ」
「物理的に隣の国でしょ」

僕は走ってお姫様の所に行った。
「隣の国の王子様。僕は隣の国の1人です」
「コートを着ている。そのコート。」
お姫様に気づかれていない?!
お姫様は分からない顔をしている。
僕って分かっていない。
お姫様はキョロキョロし始めてビックリしている。
チャンスだ。
「これはこれは隣の国のお姫様。僕は馬の世話人です。」
「馬の国の世話人?」
よっし!お姫様は騙されている。
僕がお姫様の王子様って気づいていない。
「隣の国の王子様は拒否して、僕と一緒に馬を見に行かない?」
「いいです」
いいです?!どっちだ。
強引にお姫様の手を引いて馬の所に連れて行った。

「ここは森林…」
お姫様を森林に連れてきた。
しかも僕って気付いていない。
「お姫様、ここのベンチに座って下さい。このコートをひきます。」
「ありがとうございます」
「お姫様、何故外に」
「言っていいの。隣の国の王子に迫られているの。」
「それはそれは。断って下さい。」
「それが隣の国の王子はあたしが欲しいこの世に一つしかない青のタイルをあげますって。」
「僕が青のタイルをお姫様にあげます」
「ありがとうございます」
「青のタイルをあげるのでそれまでここのベンチで待っていて下さい。目印にパーカーを着ていて下さい。お姫様は美しいから見た目で分かります」
「パーカーを着てベンチで待つ。でも、青のタイルは絶対に頂戴よ」

その日は僕は青のタイルを探しに行った。
隣の国の王子様のお城から青のタイルを盗んだ。
そうしたら隣の国が壊れた。
隣の国がない状態。
この青のタイルはそういう威力を持っているんだ。

ベンチで一年お姫様が来るのを待った。
一年後、お姫様がパーカーでベンチに着た。
「お姫様、青のタイルをあげます」
「ありがとうございます」
「お姫様の嬉しそうな顔、心から嬉しいです」
「笑笑」
「お姫様、笑顔が素敵です」
「青のタイル欲しかった」
「良かった…」
「相談したい事があって」
「何です」
「王子様が好きすぎて気絶しそう」
「王子様って?!」
「あたしの王子様。かっこよくて、たくましくて、引っ張ってくれて、自信がないし、自信過剰だし、性格が素直だし、神経質だし、難しいし、恥ずかしがり屋だし、激しいし、いびきがうるさいし、やっぱり激しいし。そこまで、大好きだと思っている。」
「その王子様の事を好きでいるお姫様の事も王子様は好きだと思われます。」
「秘密よ。嘘。王子様がいたら言っていいです」
「お姫様の事を皆好きですよ」
「うーん」
「どうしました」
「あたしは王子様だけに好かれていればいいの」
「僕もお姫様の事しか目にない」
お姫様の秘密を知ってしまった。
僕の事をめちゃくちゃ好きなんだ。

お姫様が青のタイルを自分の部屋に置き始めた。
僕は心配した。

王子様としてお姫様に会いに行く。
「お姫様、王子が来たよ。」
「好きな人が出来たの」
「僕がいるはずでは」
「嘘。王子様が大好きです」

追いかける恋愛はしたくないの

「追いかける恋愛はしたくないの」
ラシが言っていた。
何かあったんだろう。
理由は聞かない。
ラシはいつも1人でいる。
1人でいても泣いた所を見た事ないんだ。

僕には弟がいる。
弟はラシを警戒している。
弟はラシは危険人物だって思っている。
僕はそう思わない。
僕は兄として沢山の人のパターンをしっている。
しっかりもしている。
人は過ちだってあるんだ。
一つ一つを認めていかないといけない。
過ちも許してあげないといけない。
心を広くして、相手も広く見てあげないと。
「弟、もっと心広くなれよ」
「お兄さんこそ心狭いよ」
僕は心狭いよ。
好きな人の事に一直線になってしまって周りが見えない。
「お兄さんは治したらいい所沢山だよ」
「治すって、治らないだろ」
「ごまかさないで」
「ごまかしてもいいだろ」
「ラシはお兄さんと釣り合ってない」
「ラシちゃんは兄とお似合いだ」
「釣り合ってないよ。」
「ラシちゃんと釣りでも行ってこよう。2年後。」
弟は気が張っている。
何か命でも狙われているんだろう。
命を狙われると人はイライラしてしまう。
弟は常にイライラしてしまう。
でも、僕、兄は余裕だよ。
人は過ちだって受け入れないといけないんだ。
これから僕は過ち犯す可能性だって。

ラシちゃんがいた。
「ラシちゃん!兄だよ!その顔大丈夫?!」
「聞かないで」
「泣いている?」
「泣いてない」
ラシちゃんの目から涙が出ている。
ラシちゃんは走って逃げた。
僕、兄はラシちゃんの事がさらに好きになった。
ラシちゃんの事しか考えられない。

ラシちゃんを追っかけた。
ラシちゃんの腕を掴んだ。
ラシちゃんは暴れた。
兄、僕はラシちゃんを抱きしめた。
「僕はラシちゃんの事を」
「言わないで」
弟がきた。
弟が
「兄を奪わないで!!!!」
「弟、やめろ」
弟はラシをお家に帰した。
「お兄さん、ラシは危険思考を持っているよ」
「ラシはまともだよ」
「お兄さんは気づいていない」
「ラシの事は僕が1番知っている」
弟は走って何処かに行った。

僕は次の日、弟を誘って山登りに行った。
「雪の日に登る山は最高だよ」
「お兄さん、弟を山登りに誘うなんて」
ここは険しい山。
鉄の釘を岩に打ち付けて登る。
雪も積もっている。
「頂上まで登るぞ」
5時間かけて、ずっと山を登っている。
「お兄さん…息が苦しい…」
「弟、頂上まで登るんだ」
「お兄さん、寒いよ…」
「根性で登るんだ」
そこは吹雪になって視界も悪い。
岩が上から降ってくる。
「お兄さん、岩が痛い」
「僕は100回は岩に当たっている。ケガもしている。全身傷だらけで赤いんだ。」
「命を大事にしてよ」
「命は大事だ。命は大切だ。」
10時間は山にいる。
視界も見えなくなってきた。
岩も沢山。
ずっと吹雪が続いた。
泣きながら、そこにいた。