教室

宝物を探すためにリスクを背負ってまでも砂場で汚れていく人を、放課後の教室から眺めていた

教室は誰もいないため静寂さが耳にまとわりついて妙な感じがするのでイヤホンで耳を埋めていた

心の隙間はあなたにしか埋められないと分かっていた

急に重低音の気配を感じてそちらに足が動いていく

優しく包むメロディ、あの日の面影の想いを黒板に書き殴った。

 

測るのは脈の音とか周波数とかそういうのじゃなくて

ただあなたが好きだって思いだけで

体温計だってもう測れないぐらいの想いに達していると思う

ヘテロダイン以上の数値

 

黒板に書くのは勿論油性ペンで

「ごめんなさいではすまないよ」

そしてその上に

「めちゃめちゃ好きになってごめんなさい」

忘れられない裏声を想い出して黒板の下でうなだれて、油性ペンをかじってこの時のあたしを耐えたの

 

1年もずっと一緒にいて統計的に大事な所を聞いてこなかったのは君くらいだよ

黒板に書かれた文字はきいちゃったんだけれどな

「それって黒歴史になるから消した方がいいよ」

なんてもう消せないように自ら油性ペンで書いてしまった

科学者さんもっと消せないペンを発明してよ....

 

教室の窓から捨てた数々のプロフィール帳

だって頭の中にいれているし、作ろうと思えば作れるから

 

歪んだものを立て直す作業は疲れない

自分の中の基準を変えていけば世の中が楽に見えてくるのに

それでも諦めきれてない完璧な返答

虚ろな目で言いたげな顔しているならはっきりと何かしら意思表示したら

 

スペクトルが見たいわけじゃない

あなたとスペクトルを共有したいって事

それより価値のある2次元で君の完成系

それより価値のある2次元で君の未完成

ただあなたの手に触れたい

 

教室から眺める光景が変わる日が来なかった

消えないペンを探しに席を立つ日をいつも図っていた

窓の外の風景を見るのが心地よかった、風が肌にあたるのを感じていた。

いつか風の音にさらわれるあたしに何故