不思議の

コップに注がれるあなたとの歪んだ血液

最後まで飲んでくれたのは、いつかの幼かったチェシャネコ

 

背が伸びるにつれて下と上の感覚が麻痺していった

距離が分からないまま手をつないで歩いた昔の恋人との道

華は満ちていき何もかもが新鮮に思えて

あなたの目を見るたびに吸い込まれていった

 

ここはベットの上

何を食べたんだろう

クッキー、角砂糖

いつか食べて叱られた記憶がある

早くいかなくては

 

階段を登っていく迷路

煙に頭が困惑して視界は指でなぞるように

迷路の左の方にいき心臓を確認してティーカップで休憩

女王様の笑顔

全部本当に感じたガラス越しの手合わせ

 

100回以上見た同じ光景

でも何故か煙を焚かれるシーンだけいつも違うの

テープを巻き戻しにしても次再生する時にはそこだけ

ガラスはいつも壊れそうで壊れない

「それってもう壊れてるって事だよね」

その言葉が嬉しかったり

 

誰かが言っていた他人事のような口裏わせ

早くいかなくては

「目はまだ醒めないの」

聞こえてくる遠くからの声

それに返すのは

「目はまだ醒めないの」

 

まだベットの上でつぶやいている

窓を眺め角砂糖をかじりながら