飲み物

あなたの言葉が喉を通る瞬間、全く飲みこめなかった事態を悔しく思った。

飲みこむのはいつもその場の旋律。

戸惑いを見せるあたしの形態にいつも正しい言葉をくれたのはあの人だけ。

正気の言葉はあたしの胸に痛感して現実から遠ざけていく。

寂しいなんて戯言もう通用しない。

あなたとの歪んだ夢のような物語りにいつも連音符としてそこに居続ける。

何処なんて発信したふりをして夕闇の後ろに隠れないで。

もういなくてもいいよ。

振り払う虚無を食べ続けるよりあなたの言葉を感じて満たされたいって何回言えば分かるかな。

管を繋げても繋げても出来あがるのは誰かがやっていたようなまた見る光景。

フラッシュバックしたかと思えばそこに出てくるのはいつものあの人。

この状態でそこに連れていかれても

優位に立つのはミスも微笑みで受け止めてくれる幻であって欲しいと願う想像のあの人。

誰もあの人にはなれないと分かっていた。

正解のドアの道順を最初から最後まで覚えていてその通りに行けば良かったのに、それが見たいがために途中で変な選択をする人もいるけれど、最初から最後まで覚えといて正解の選択肢のドアを開ける方が良いに決まっている。

他の視野より正解のドアを開け続ける方が物事は成り立つのに。

そしてあたしの心臓をこんなにも動かす人は誰なの。

心臓は開けられないよ誰にも。

飲み続けていくと生きている実感がした。

凄く泣いた。

病院の静寂さがあの時を物語っている。

並べた沢山の音を流して合わさった時の音をいつも飲みこんでいた。