手首に触れてくれた。


「あなたのせいで心臓が速くなりドキドキして気を失いかけているんです。責任取ってください。」
そうやって近づくのは反則かなぁ。
だってそんな能力持っていたら惚れちゃうわ。
催眠にかけられる人生なんて、とてもいいじゃない。
一生催眠にかけられていたら、あたしは本望だわ。
そんな能力があたしを惑わす。

治療はただ手首を触って直ぐに退散してくれた。
あたしは自分を制御したの。
そんな事が出来るなんて尊敬する。
本当は手首を触って下さる時間まで、その人は集中中、病院で2人きりでずっと同じ空間にいて、何も言ってこなかった。
時折り見つめてきて下さって。
何かトークでもして下さったら良かったのに。
治療は催眠なんて最終手段にも程があるわ。
あたしの手首、絶対もう誰にも触らせない。
あたしだけの想い出。

また会いたい。
どうすれば。

また会ったら、今度は心臓がとても速くなり完全に気を失う可能性がある。
それでもいい。
10月10日の治療に戻って、手首を触って下さる瞬間に戻って。
そうしたら、あたしは言うの。
催眠の人に。
「あたしに惚れて下さい」
って。



叶わない恋愛なのかなぁ…
だって、その人、あたしの事を…
ましてや、Twitterやっているなんて知らないだろうし…
どうしたものかぁ…