ストックホルムと包丁


そういう事なんだ。
あなたが歩く時にいつも俯いているのはそういう事なんだ。

悔しい程、現実は嘘みたいだ。
正式な日常であって欲しいのに。
ゲシュタルトしない毎日がどんだけ孤独か。
独りの現実がまた明日も来るんだ。
独りが襲ってくるんだ。
その内部にあなたの目線があって。
心の中を何度も包丁で刺してくる。
現実から目を背けられないよ。
監視されている事が嬉しいんだ。
誰かと心臓を共有しているから。
監視されていると心臓をえぐられる程の心情になるし。
永遠にあたしの心臓を見てくれるかな?
あたしが包丁を持ちたい気分。
永遠にあたしから目を背けないで。

やっぱり狂気的な思考はあたしの脳を麻痺させていく。
空な目に浮かぶのは残酷な現状。
放心状態のあたしでも承認してくれるの。
「あなたを地の果てまで追っていく」
そういうあなたは何故手に包丁を持っているの。
ごめんなさい、裏切らないから。
逃げないから。
あたしはあなたが大好きだ。
ごめんなさい。
あなたから逃げるのは難しいよ。
理解し合ってるんだよね。
だから離して。