黄色救急車※精神崩壊注意

「大人はね、黄色救急車に通報する事が出来るの」
「大人はね、黄色救急車に通報する事が出来るの」

私はこの言葉がトラウマになっています。
頭の中でエコーします。

私は今日から新しい坊ちゃんの担当をします。
家事手伝いの仕事をしている。
新しい坊ちゃんの世話と家事代行。
坊ちゃんはプライドが高くて気が張っていて強がり。
繊細だから気をつけて接している。
お家に帰ってこない両親は坊ちゃんにはしつけをしろと言っている。
それよりも坊ちゃんはいつも上の空だから、ちょっと優しくしたい。
「坊ちゃん、新しく担当になった家事手伝いです。」
「うるさい、勉強の邪魔だ。」
「坊ちゃん、勉強ばかりしていないで散歩にでも行ったらどうですか」
「黙れ、世の中、学歴社会なんだ」
坊ちゃんは受験勉強に必死ですね。
坊ちゃんのお家の掃除でも頑張ろう。
家事手伝いをしていても、坊ちゃんの家は綺麗です。
怖いくらい綺麗です。

坊ちゃんは1人友達がいる。
その友達が時々、私に話しかけてきます。
「雇われだろ。給料貰っているくせに。」
この友達が気に食わない。。
坊ちゃんとその友達が話していた。
「どうせ志望校に落ちるよ。10浪でもしとけ。」
「うるさい!黙れ!」
「あなたはバカなんだ。バカなふりをしていろ。」
「うるさい!」
「あなたは浪人生の方が幸せだ」
「黙れ!」
「大人はね、黄色救急車を呼ぶ事が出来るんだ。黄色救急車は頭がおかしい人が運ばれてしまうんだ。大人は誰でも黄色救急車に通報が出来る。君も運ばれんだよ。」
「僕は頭がいい!!」

なんて事でしょう。
坊ちゃんの友達が性格が悪い。
こんな友達は切り離した方がいいのでは。
受験のためにも。

「坊ちゃん、受験に集中するには、友達を選んだら、どうでしょう。」
「僕に何か言うと」
「受験、頑張っているんでしょう。」
「僕は世の中を救いたい。世の中を良くしたいんだ。」

坊ちゃんがそんな事言うなんて…
坊ちゃんはその日から交友関係を狭めた。

「家事代行、話したい事があるんだ」
「なんでしょう」
「僕は誰からも好かれなかった。一生誰からも好かれない気がするんだ。」
「家事代行があなたの事だけを好きです」
「それも今だけだよ」
「一生、あなたのために動きます」
「よくそんな事が言えるね」

その日からお家の掃除を頑張った。
そのおかげでお家が滑る程綺麗になった。
掃除もしっかりとした。
洗濯もお皿洗いも完璧に出来た。

「坊ちゃん、いつもお家にいますね」
「友達にはぶられた」
「友達って誰ですか?」
「黄色救急車の話しをよくする友達」

アイツめ。
坊ちゃんにおかしい事をふきこんで、坊ちゃんをいじめ始めたなんて。

「家事代行、友達に僕と仲良くしたら駄目って言ったそうだね」
「そんな事、言ってないです」
「友達が言ってたよ。お前ん所の家事代行が友達に僕と仲良くしないでくださいってお願いしてきたそうじゃない」
「そんな事言ってません」

その日も掃除を頑張った。
坊ちゃん、大丈夫かしら。

「家事代行、僕の鞄に虫を入れたね」
「そんな事はしていないです」
「もう、いいよ。家事だけしといて。」
「坊ちゃん…」

坊ちゃん、様子がおかしい。
鞄を確かめてみたら、
「「あなたは頭がイかれている」」
って100個も書かれている紙が鞄から出てきた。
手が震えて、その紙を棚に閉まった。
もしかしたら、坊ちゃんいじめられている…?!

「坊ちゃん、悩みがあるなら私に言ってください」
「ないよ」
「悩みあるでしょう」
「友達がいないんだ」
「…」

坊ちゃん勉強ばかりしているから、交友関係を育めないんではないでしょう。
坊ちゃんのために家事代行を頑張ります。

坊ちゃんの日用品の買い物をしていたら、黄色救急車の話しをしていた友達がいた。
「ほー家事代行の奴じゃん。給料いっぱい貰っているんだろ。給料の事だけ考えとけばいいじゃん」
「坊ちゃんに何かしました?」
「あいつの鞄に毎日、イかれた文書を書いて、100個ぐらい入れているよ」
「黄色救急車を呼びます」
「本当に呼べるの?」
「呼べないです…」
「僕はね、黄色救急車に10回も乗っているんだ。耐性がついている。」
「呼ばれそうですね」
「僕の痛みが分からないだろ」
そう言って帰って言った。

「坊ちゃんごめんなさい」
「僕がいじめられているの本当だったでしょ」
「友達は大学に行けば出来ますよ」
「友達がいるメリットがない」
「家事代行、私は一生坊ちゃんについていきます。」
「余計な事を言わなくていいよ。」
「一生、この家に居てもいいくらいです。」
「慰めの言葉、ありがとう」

坊ちゃんはその日から、さらにひきこもって勉強をするようになった。
お家からも出ずに。
坊ちゃんの日用品は私が買いに行った。

「坊ちゃん1番欲しいものは何?」
「友達」
「笑えないですよ」
「本当は合格発表の紙」
「笑えないですよ」

その日、お家に黄色救急車がきた。
坊ちゃんが黄色救急車に運ばれた。
亡くなった事を黄色救急車から聞いた。
家事代行もやめる事になった。

「坊ちゃん、次の家事代行はこんな事にならないようにします」
「鞄の紙、大事にしているの異常ですよ。」
「最後の紙に早良区ってどう言う事です」
「友達が通報したんでしょう」