赤い傷。


私は世界一の美女だった。
美貌で全員に好かれていた。
でも、好きな人の好きな人を海に落としたせいで、天から雷が降ってきてブタの姿にされた。
ブタとして過ごしている。
遣がいて遣と旅をしている。
「遣、美女に戻りたい。ブタの姿で好きな人に会えないわ」
「レーケ、せめて人間の姿になろう」
レーケ、私は人間の姿になるために遣と旅をしている。
好きな人に美しい美貌を見てもらうため。
遣はたくましい。
ずっと付き添って、レーケ私が人間に戻るための力を探してくれている。

レーケ、私には好きな人がいたの。
とてもかっこよくて人気者で明るくてモテていて。
それだから好きな人の周りには沢山人がいたわ。
好きな人の好きな人が直ぐに分かって、そいつを海に落としたの。
その事を好きな人は知らない。
急に天から雷が降ってきてブタにされたわ。
世界一の美女で美しい美貌だった。
もう生きている意味が分からない。

遣「あれはレーケの好きな人じゃないです?!」
レーケ「ヤバイ。この姿では」
好きな人「遣じゃない。そのブタ可愛いじゃん。何でブタを連れているの?」
レーケ「…」
自分は喋らなかった。
遣は「このブタはペットです。お兄さんはどちらへ」
好きな人「好きな人を探していて」
遣「好きな人って誰?」
好きな人「秘密だよ。レーケだよ。レーケが好きだ。最近いないんだ。」
私は好きな人の秘密を知ってしまう。
この姿で。
でも言葉は出ない。
私は逃げた。
遣「ペットを追いかけてきます。お兄さんまた。」
好きな人「見つけたら教えてくれ」

遣とレーケは海に来た。
レーケ「今のは嘘よ。だって私は醜いわ。」
遣「可愛いよ」
レーケ「嘘。この姿で好きな人が好きになるわけない」
遣とレーケは泣いた。

遣は修行に出た。
レーケ様を元の美しい姿に戻すんだ。
レーケ様は世界一美しい美貌を持っていた。
遣は知っている。
山の木を移動させて山を切り開いて必死で天の近くまで行った。
2年かかった。
遣は天に叫んだ
「レーケ様を美しい姿にして下さい。」
天が光って雷が落ちて、遣は気を失った。

レーケは声が聞こえた。
「レーケよ。美しい姿になりたいであろう。」
「何、この声。はい。人間にさせて下さい。」
「人間にしてやろう。美しい姿にさせよう。」
「ありがとうございます」
「でも、好きな人を一生傷つけるんじゃない。傷つけた瞬間にブタになろう。」
「分かりました」
「美しい姿にさせよう」
「良かった…」
そしてレーケは元の美しい姿に戻って、世界一の美貌を手に入れた。
人間で1番美しい姿で。
レーケは鏡を見て喜んで笑って泣いて
レーケ「これがあたしよ…」
人間だ。
レーケは1番に好きな人に会いに行った。

好きな人は「レーケじゃない。美しい姿だ。レーケが美しいせいで、僕が1番醜いよ。身体中、赤い傷だらけでしょ。レーケが傷つく原因は見た目がレーケよりも美しい僕がいる事。でも、僕が身体中赤い傷だらけだから、僕が1番醜い。それ以上、レーケが傷つく事ないよ。僕が傷つくのはレーケが傷つく事だから」
「好きな人とこの姿で会えて良かった。あたしが世界一美しいわ」
そうして、レーケは一生美しい美貌で世界一美しい姿でいられた。

僕はレーケの好きな人。
レーケは見た目の事しか考えていない。
レーケは高飛車で周りに当たり散らかして八つ当たりして嫌いな事を嫌いってハッキリ言えて、好きな人はとことん好きって言えてしまう。
レーケは僕に自分の事を好きって何回も聞いてくるし、自信がない時もあって意味がわからない。
見た目が世界一美しいんだから自信持っていい。
でも自信がない。
いつも僕に好きの形を求めてくるんだ。
それぞれの形でもとびっきりの形を求めてくるんだ。
好きって沢山の文章と言葉と形と行動で積極的に伝えているんだよ。
でもレーケは自信がない。
何回も好きって言わせてくるんだ。
見た目はちんちくりんだよ。
頭の中で思っておこう。
好きって一生それぞれの形で言わせたいんだ。